遺品整理 にかかる時間的な制約も以前よりも厳しいものになってきています。
住宅環境に対する考え方も変わってきていて、以前であれば、親が老いたら住むための部屋を確保するのが当たり前とされてきました。しかし、住宅価格の高騰 により、とてもそんな余裕が無くなってしまっています。。都会型の住宅環境では、昔ながらのコミュニティーが育ちにくく、「となりの住人の顔を見たことも ない」という人さえもいます。
そんな中、独居されている方が亡くなった場合、家主から「なるべく早く、片付けて明け渡して欲しい。」といった要望が出されることも、珍しくありません。
貸している側としては、当然の要求でもあり、「誰が後始末をつけてくれるのか?」という不安もあるのでしょうが、遺族の方としては複雑です。
人が亡くなった悲しみさめきらない中、後片付けに着手しようにも何から始めていいかも分からないのに、「住宅事情で、呆然としている時間さえ取れない」という悲しい現実もあります。
また、以前は遺品整理の担い手であった女性が、職を持って働くようになったため、「仕事を休んで遺品整理は難しい、とは言っても、遺品をひとまず預かってもらう場所もない。」という状況も今では珍しくないようです。
こうした社会事情の変化にともなって、最近は、「遺品整理を専門家に任せる」という形が、次第に定着してきています。
「遺品整理」は、これまでの「形見分け」から進化した、新しい供養の形とも言えるかもしれません。
2014年7月23日 │ 作業事例